クレジットカードを使った電車への利用が広がっています。
改札にクレカかざして乗車、ほぼ全ての東急線で15日から 事前のチケット購入不要に
日本では最近広まってきた動きなのですが、実はイギリスの首都ロンドンの地下鉄では以前からこの方式が取り入れられています。
実際にロンドンに行ってこの機能を利用してきたので、その感想を記載してみたいと思います。
クレジットカードによる電車の利用とは
その名の通り、クレジットカードを改札機にかざすだけで電車が利用できるシステムです。
SuicaやIcocaがクレジットカードになるとイメージしてみてください。
クレジットカード×電車利用のメリット
チャージ不要
クレジットカードを使う場合、ICカードのように事前にチャージする必要がありません。
残高不足で改札にはじかれることを心配することなく、いつでもスムーズに利用できます。
カード一枚で済む
クレジットカードで入場ができれば、別の交通系ICカードや現金を持ち歩く必要がありません。
普段使っているクレジットカードで支払いができるため、持ち物が少なくて済みます。
利用明細が一元化できる
交通費がクレジットカードの利用明細に反映されるため、経費管理がしやすくなります。
交通費を含めた支出の把握が簡単になります。
観光客に優しい
観光客にとって、その国の交通機関を利用するのは思ったよりも難しいものです。
クレジットカードは国を問わず利用できるます。
そのため海外旅行者でも専用の交通カードを購入する必要がなく、そのまま公共交通機関を利用できます。
クレジットカード×電車利用のデメリット
決済速度の問題
多くの人が連続して使う地下鉄改札のため、決済速度は命です。
少しでも遅れると、あっという間に詰まってユーザーの利用に大きな影響が出てしまいます。
セキュリティの問題
公共の場で頻繁にクレジットカードを出し入れすることになるため、セキュリティが心配になります。
特に海外の地下鉄というのは治安が悪いことが多いため、クレジットカードの出し入れは警戒する必要があります。
手数料の問題
一部のクレジットカードには、利用ごとに手数料がかかる場合があります。特に海外で使う際には為替手数料や海外取引手数料が加算されることがあります。
全ての場所で対応していない可能性
クレジットカード対応の改札機が設置されていない交通機関や地域もあります。
そういった形で利用可能エリアが限定される場合があります。
交通系ICカードのポイント還元が利用できない
クレジットカードでの支払いでは、交通系ICカード(SuicaやPasmoなど)で得られるポイント還元が受けられないことが多いです。
そのためポイント重視のユーザーにはメリットが薄くなります。
実際利用してみてどうなのか
実際にロンドンの地下鉄で利用した動画が以下です。
反応速度は〇。ただ日本のラッシュだと…?
動画のように、クレジットカードの反応速度は思ったよりもずっと速く快適です。
そして、何よりも非常に簡単でした。
ロンドンは観光客が多く利用者もたくさんいました。
それでも特に根詰まりを起こすようなことなくスムーズに進んでいました。
ただ、日本の朝のラッシュで毎秒2人~3人が入ってくるようなときに対応できるか。
これちょっと微妙なところでした。
観光客にとっては本当にありがたい
このクレカで電車が使える仕様は、観光客にとって本当にありがたいシステムです。
実はロンドンの前にパリにもいっていました。
パリではカードを購入してチャージする必要があり、ひと手間かかっていました。
クレカがそのまま電車で使えるというのは、慣れない観光客にとって非常にありがたいものでした。
インバウンドにも好影響?
海外からの観光産業というのは、日本ではすでに自動車に次ぐ2番目の外貨獲得手段になっています。
インバウンド消費は、半導体等電子部品を上回って自動車に次ぐ輸出産業となっており、日本経済をけん引する存在となっている
地下鉄でクレジットカードが使えるかどうかが決定的な影響を与えるとは思いません。
ただこう言った小さい便利の積み重ねが「旅行しやすい国日本」、ひいては観光大国を作り上げていくのだと思います。
海外発行クレカのコストが重荷になる?
海外観光客のクレカ利用に関しては、コストの面で不安があります。
海外発行のクレジットカードの場合、発行会社が高い手数料を払う必要があります。
これによってカード会社が逆ザヤで赤字になる可能性があります。
また、クレジットカードの利用により今まで国内で回っていたお金が海外に流出することになります。
このあたりはインバウンドとのバランスが難しいのですが、どの程度まで許容できるかの判断になってきます。
まとめ:間違いなく便利になる、クレジットカードの電車利用
クレジットカードの電車利用は特に観光客にとって非常に便利なシステムです。
特に自分が外国人として利用したロンドンの地下鉄でそれを強く実感しました。
日本の会社もどんどん取り入れているとのことなので、この流れは恐らく止まらないでしょう。
一方でJCBを除いて海外の会社がシェアを持っているクレカが日常に入ってくるということは、
手数料という形で国富が流出するという側面もあります。
インバウンドと全体のバランスを見る必要もありますが、手数料の面などでうまく調整できるといいのかなと思います。
まあ一ユーザーとしてはあまりそのあたりを考えずに、便利なものはどんどん使っていく…でいいのかもしれません。