クレジットカード払いだと現金よりもついついお金を使いすぎてしまう…
そんな風に感じたことはありませんか?
その感覚、間違っていません。
実際にクレジットカードだと、現金よりもお金を使うように設計されているんです。
その設計とはどういうものなのか、この記事で解説していきます。
クレジットカードを使いすぎてしまう仕組みとは
キャッシュレス効果。お金を使っている感覚が薄れる
クレジットカードの特徴は、現金のやり取りをせずに「キャッシュレス」でお金を使えることです。
このキャッシュレス効果により、物理的にお金が減っている感覚が薄くなります。
例えば現金で支払う場合、目の前でお札や硬貨が減っていきます。クレジットカードではこれがありません。
そのため「お金を使ってる!」という実感が薄れて支出額が増えやすくなってしまうのです。
時間割引の心理
クレジットカードを使うと、今お金がなくても、欲しいものをすぐに手に入れることができてしまいます。
「未来の自分がなんとかしてくれる」
支払いは後回しにできるため、こういう思考が働きがちです。
これは心理学で時間割引と呼ばれます。
人間は「将来的に払うお金の大きさ」よりも、「今すぐに手に入れられる楽しさ」を優先してしまうのです。
クレジットカードは、まさにこの時間割引の心理を効果的に取り入れています。
支払いは後にできるため、「迷ってるけど…払うのは後だし今買っちゃおう!」となり、ついついクレジットカードを使いすぎてしまうのです。
ポイントやキャッシュバックによる報酬心理「オペラント条件付け」
クレジットカードは使えば使うほどポイントが獲得できます。
最近では三井住友カードがセブンイレブンでの獲得ポイントを10%にしたことが話題になりました。
このような「使えば使うほど報酬が得られる」システムは「オペラント条件付け」と呼ばれます。
オペラント(operant)は英語で「自発的に」という意味です。
報酬があることで無意識に「たくさん使えば使うほど得だ!」という考え方に陥り、クレジットカードを使いすぎてしまうのです。
ただ、クレジットカードのポイント制は、あくまで使った額に応じてもらえるものです。
たくさんポイントが手に入っても、そのために無意味にたくさんのお金を消費してしまっては本末転倒です。
「この購入でたくさんポイントが貯まるからいいや」というように、人に言い訳を与える仕組みがクレジットカードにはあり、だから使いすぎてしまうのです。
支払いの痛みを軽減する「ペインレス支払い」
クレジットカードを使うと、現金を使う時の「支払いの痛み」を感じにくくなります。
現金支払いには目の前でお金が消えていく「痛み」が伴います。
クレジットカードではその痛みが軽減されるため、支出に対する抵抗感が減ります。
このペインレス支払い(痛みのない支払)により、クレジットカードはついいつい使いすぎてしまい、支出が多くなるのです。
実力以上に使えてしまう「クレジットカードの上限額」
クレジットカードには、使える上限金額が設定されています。
しかし、クレジットカードの上限金額は必ずしも「その人が払えるお金の上限」ではありません。
時に銀行口座の残高以上のお金を使えてしまうのが、クレジットカードなのです。
この上限額を「自分が使っていいお金の上限」と考えてしまい、自分の実力以上のお金を使ってしまう。
これがクレジットカードを使いすぎてしまう心理のひとつなのです。
クレジットカードを使いすぎてしまう、分割払いの罠
クレジットカードの支払いには以下の3つがあります。
- 「一括払い」
- 「分割払い」
- 「リボ払い(分割払いの一種)」
この分割払いは、その名の通り支払いを分割して先送りするものです。
分割払いを使うと、1回あたりの支払額が減少します。
その結果、自分が使ったお金の総額を把握できなくなり、支払いの痛みを感じ辛くなるのです。
しかし、一括だろうと分割だろうと払わなければいけないお金の総額は同じです。
なんなら金利がかかってくるだけ分割払いのほうが支払総額は多くなります。
一回当たりの支払いを抑えることで、まるで支払いが少ないかのように錯覚させるのが分割払いなのです。
そしてリボ払いはこの分割払いをより洗練させ、一回当たりの支払いを少なくして、総額の金利を増やす仕組みです。
「一回当たりの支払いが減る」という優しい顔を見せながら、裏では全力でクレジットカードの支払総額を増やそうとしています。
この分割払いの仕組みが、クレジットカードの使い過ぎを促進しているのです。
クレジットカードを使いすぎず賢く使うには
クレジットカードには使い過ぎてしまう仕組みがあると知ろう
それでは使いすぎないようにするため、私たちはクレジットカードをどのように使えばいいのでしょうか?
それは上記のような「仕組み」がクレジットカードに組み込まれていることを強く意識することです。
クレジットカードは世界のとびぬけて頭のいい人たちが「より多くの金額を使わせるための仕組み」を全力で考えて設計しています。
私たちが無意識に使ってしまうと、どうしてもその思い通りにお金を使ってしまいます。
大切なのはそういう仕組みがあることを意識して、本当に必要な支出にのみお金を使うことです。
ポイントが取れるから…後払いだから…分割なら払えるから…
あなたから湧き出す「ありとあらゆる言い訳」をなぎ倒し、本当にそのお金を使うべきかどうか問い続けるのです。
もしそれが難しいなら…
もし今の段階では自分にはそれが難しい…と感じるならば、クレジットカードの利用は控えるようにしましょう。
まずはデビットカードから使って慣れていくという手もあります。
自分を管理できれば、クレジットカードはとっても便利な支払い方法
それでもクレジットカードが便利な支払い方法であることは間違いありません。
クレジットカードなら、
うまく使えば現金で払うよりも、間違いなく便利でお得なのがクレジットカード払いなのです。
まとめ
その場で物が買える満足感
お金がその場で減るという痛みの軽減
ポイント付与によるインセンティブ
クレジットカードは様々な仕組みで人により多くのお金を使わせようとしてきます。
だからこそクレジットカードを使うとき、私たちはいつもより慎重でなければいけません。
本当に必要なだけお金を使い、できる限り一回で払う。(一回払いがいかに素晴らしいかは是非こちらをご覧ください。)
賢くクレジットカードを使い、間違っても使いすぎず、本当にお得な生活を実現しましょう。