クレジットカードについているショッピング保険を検討したことはありますか?
クレジットカードについている保険では「海外旅行保険」が有名です。
しかしクレジットカードには他にも多くの特典がついています。
あまり知られていないのが「クレジットカードのショッピング保険(購入商品保険)」です。
クレジットカードで購入したものが壊れたら保障してくれる…というある意味究極の保険といえます。
当然利用条件などは厳しくなっていますが、うまく使えると非常に便利です。
この記事ではショッピング保険について掘り下げていきます。
ショッピング保険とは?
ある意味究極の保険?買ったものが壊れたら補償します
クレジットカードのショッピング保険(購入商品保険)は、カードを使って購入した商品が盗難や破損などの損害を受けた際に、その損失を補償してくれる保険です。
お買い物の手段であるクレカにつく保険としては、ある意味究極の保険といえます。
もちろん何でも補償をしてくれるわけではなく、補償条件が明確に定められています。
ショッピング保険の制限や条件
クレジットカード付帯のショッピング保険には、以下のような条件が付きます。
補償額の上限:1商品あたりや1年間の保険金額には当然上限があります。
カードによりますが、100万円~500万円くらいが多いようです。
無限に保証してたらカード会社がつぶれてしまいますからね。
免責金額:保険金を請求する際に、自己負担となる金額が設定されていることが多いです
補償をする際に少ないながらも自己負担額を求められます。3,000円くらいが一般的でしょうか。
少なくともこれくらいは払ってください、ということでしょうか。
対象外の商品:現金や食料品、乗り物、など特定の商品類は対象外になります
具体的に保証をしてくれる商品類が定められています。
詳しくは次の章をご覧ください。
使用方法:破損や盗難が起きた場合、クレカ会社が定める手続きが求められます
当然何でも補償してくれるわけではないので、規約は穴が開くほど確認しましょう。
補償される物、されない物の具体例
それでは実際に規約を見て、どういったものが対象なのかを見ていきます。
今回は楽天プレミアムカードの規約を参考にまとめていきます。
補償される商品例:
- 家電製品(テレビ、冷蔵庫、洗濯機など)
- 家具(ソファ、ベッド、テーブルなど)
- 衣料品(コート、ドレス、スーツなど)
- アクセサリー(ただし、貴金属や宝石類は対象外)
- スポーツ用品(ただし、スキーやスノーボードのような特定のスポーツ用品は除外される)
補償されない商品例:
- 乗り物関連:自動車、バイク、自転車、船舶、航空機、およびその付属品(カーナビやホイールなど)
- 医療関連:義歯、義肢、コンタクトレンズ、眼鏡など
- 動植物:動物や植物
- 金融関連:現金、小切手、証券、チケット、プリペイドカード
- 食料品:食べ物や飲料
- デジタルデータ:ソフトウェアのデータやダウンロードコンテンツ
- 美術品・骨董品:書画、彫刻、貴金属、宝石など
- 携帯式電子機器:携帯電話、ノートパソコン、ワープロなどの携帯式電子機器
- 不動産:土地や建物
まず、カード会社側として損害が予測しにくいものは除外しています。例えば、
現金:上限が想定できない。1万円~数十億円だってありうる
骨董品美術品:評価額の算出が難しい
不動産:商用で使われてしまう場合も(あくまで保険の対象は個人の消費活動)
ここで特に気を付けてほしいのは、食料品が対象に入っていないことです。
クレジットカードのショッピング保険は、長期的に利用できる耐久消費財をカバーすることを目的にしています。
食料品や生鮮品はすぐに使い切るか、消耗する性質があり、こういった保険には向かないのです。
(食べちゃったり、腐ってしまったり)
そもそも食料品などの多くはそこまで高額にならないので、保険でカバーするまでもないということでしょう。
*今回のまとめはあくまで規約を私が解釈した内容になります。具体的な補償可否は必ずカード会社までご確認ください。
ショッピング保険を利用するメリット
何よりも安心して物が買えるというのが一番です。
せっかく買ったものがすぐに壊れて、がっかりした経験はありませんか?
私も買ったばかりの大型テレビが次の日には故障した苦い経験があります。あの絶望感は次の買い物まで尾を引きます。
ショッピング保険がついていれば、壊れたり盗まれても補償がされますので、安心して高いものを購入することができます。
そして、この安心こそがカード会社の狙いでもあります。
購入者に安心して購入してもらうことで、カード会社の売り上げも増え、結果的にWin-Winの構図が作れるのです。
だからカード会社は、こんな夢のような保険を用意しているのです。
便利だけど、ショッピング保険の過信は禁物!
ここまでショッピング保険のすばらしさを記載してきましたが、どんなものでも過信は禁物です。
ショッピング保険に関しても気を付けなければいけない点はたくさんあります。
補償期間に制限がある
壊れたり盗まれた場合でも、いつまでも保障してくれるわけではありません。
補償をしてくれる期間には当然制限があります。
楽天プレミアムカードだと「購入から90日以内」という制限がついています。
もしお手持ちの商品が壊れたり盗まれたりしたら、購入日からどれくらいたっているかも確認をしましょう。
事故や故意による損害は補償されない
ショッピング保険の多くでは故意の破損、自然災害による損害は補償の対象外です。
たとえば、故意に破損させた場合は補償がされません。
ちなみに、意外ですが自分で誤って壊した場合は補償されることがあります。
わざとやったかどうかが、判断の基準になっていそうです。
商品それ自体の保証で結構カバーできてしまう
これ意外と盲点なのですが、ショッピング保険の対象商品群には、そもそもメーカー保証がついているものが結構あります。
そして、たいていの場合はメーカー保証のほうがより長期間でしっかりとした保証を提供しています。
家電を例にとると、たいていの家電は1年以上のメーカー保証がついていることが多いです。
ショッピング保険が購入日~90日くらいまでを対象にしていることを考えると
大抵はメーカー保証で間に合ってしまうことになります。
ショッピング保険はとても便利ですが、あくまで保険として使用タイミングは限定的だと考えておきましょう。
クレジットカード各社の補償内容
国内主要クレジットカードのショッピング保険の比較をしてみましょう。
Name 基本還元率 年会費 年間補償金額 補償期間 補償対象金額 三井住友カードNL 0.5% 年会費無料 対象外 対象外 対象外 三菱UFJカード 0.5% 年会費無料 100万円 90日間 3,000円以上 リクルートカード 1.2% 年会費無料 200万円 90日間 3,000円以上 エポスカード 0.5% 年会費無料 50万円 90日間 3,000円以上 楽天プレミアムカード 1.0% 1,1000円 300万円 90日間 1万円以上 楽天カード 1.0% 年会費無料 対象外 対象外 対象外 JCB Card W 0.6% 年会費無料 100万円 90日間 10,000円以上 三井住友カード ゴールド 0.5〜1% 5,500円 300万円 200日間 3,000円以上 JCBゴールド 0.1〜1.0% 11,000円 500万円 90日間 10,000円以上 ダイナースクラブカード 1.0% 24,200円 500万円 90日間 10,000円以上
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有料カードに手厚いショッピング保険
ショッピング補償保険の多くは「年会費有料」のカードに手厚く設定されています。
無料カードで人気の高い以下の2つのカードはショッピング保険の対象外となっています。
- 楽天カード
- 三井住友カードNL
一方で年会費が無料カードの中でも、ショッピング保険が利用できるものもあります。
年会費無料でショッピング保険が付帯しているクレジットカード
この中で選ぶならリクルートカードをおすすめします。
年会費無料のクレジットカードながら、年間200万円の補償枠が設定されています。
補償期間も90日と一般的で、年会費無料カードとしては十分な補償内容といえるでしょう。
また、カードとしての戦闘力が高いのも特徴です。
ベースのポイント還元率が1.2%で、もらえるポイントもリクルートポイントと使い勝手が非常に高い。
ショッピング保険をカード選びの決め手にするのであれば、リクルートカードは有力な選択肢となります。
条件をしっかり確認して、楽しくショッピング
ショッピング保険は一見夢のような補償内容を備えていますが、条件が結構複雑に設定されています。
メーカーの保証で十分対応できるものも多く、本当に自分がこれが必要かは慎重に検討する必要があるでしょう。
個人的な意見としては、このショッピング保険をカード決定の決め手にする必要はないと思います。
いくつかのカードで迷っていて、その最後の一押しとしてショッピング保険の内容を比較する。
これくらいの使い方がちょうどいいのではないでしょうか。
なんにしてもせっかくついているのであれば、使わない手はありません。
もしお手持ちの物が壊れたり盗まれたりしたら、是非この保険が使えないか確認してみてください。