クレジットカードの不正利用が補償されない場合ってどんな時?

もしあなたのクレジットカードの不正利用が発覚した時、その金額は補償されるのでしょうか?

最近もタリーズのクレカ情報の大量流出がありました。

不正利用の可能性というのは、私たちの思っている以上に身近にあります。

今回はカード会社の規約を見ながら、以下の点を考えていきたいと思います。

  • どのような時に不正が補償されるか
  • 不正利用を見つけたらどうすればいいか

 

クレジットカードの不正利用時の補償規定

会員規定に補償のルールが書いてある

クレジットカード各社はそれぞれの会員規定で、不正利用や盗難時にどういう対応をするかを記載しています。

会社ごとに少し違うのですが、似た内容が書いてあることが多いので、今回は「楽天カード」を参考に見ていきます。

参考:楽天カード会員規定

クレジットカードの不正利用は60日以内に報告してくれたら、補償する場合もあるよ

楽天カードでは会員規約17条で「紛失や盗難は基本的に自己責任」としています。

一方で下記の手続きを満たす場合は、支払いが免除されるともしています。

  • 楽天カードに対して迅速に紛失や盗難を直接電話などで報告している
  • 警察にも届けている
  • 所定の届け出書を楽天カードに提出している
  • 楽天カードが報告を受理した日から、60日前までの不正利用に限る

ここで重要なのは、60日以内の不正利用のみが補償されるということです。

例えばクレジットカードの不正利用に気付くのが遅れてしまい、60日が経過してからカード会社に報告をした場合、例えあなたに非がなくても、補償がしてもらえなくなってしまうのです。

クレジットカードの不正利用をすぐに報告してくれても、補償できない場合もあるよ

仮にあなたが迅速に報告をしても、補償がされない場合があります。

それが17条2項に定められています。

詳しくは原文をご確認いただきたいのですが、特に気を付けたいのは「故意や重大な過失があった場合」の部分です。

紛失、盗難等が会員の故意又は重大な過失によって生じた場合。

これはつまり、無くしたり盗まれた時にあなたの不注意があった場合を指します。

例えばこのような場合が想定されます。

  • 家族や友人にカードを貸したら不正利用されてしまった
  • クレジットカードを外に放置して、目を離していたら盗まれてしまった
  • 「0000」のように暗証番号が推測されやすいものだった
  • 暗証番号を書いた紙やファイルを、他人が見られる場所に置いておいた

このような場合は、「そもそも盗まれたり不正利用されたのあなたのせいだよね?」ということになり補償をしてもらえない場合があります。

まとめ:こんな時は補償してもらえる可能性がある

つまり、クレジットカード会社が補償をしてくれるのは、こういう場合が多いです。

  • 盗まれたり不正利用をされてから、すぐに報告をしている
  • 盗まれたり不正利用をされた原因が、あなたの重大な過失ではない

あなたに落ち度がなくて、すぐに報告をしていれば補償が受けられる可能性があるということです。

ただし不正利用から60日が経過した場合。

あなたの過失がなくても不正利用が補償されなくなる

これは意外と知られていませんので、しっかりと頭に入れておいてください。

実際に不正利用を見つけたら

まずは何をおいてもカード会社に連絡

もしあなたのクレジットカードが不正に利用されているのを見つけたら。

まずは、不正が行われたカード会社に速やかに連絡をしてください。

これができていないと、ほかの補償規定が適用されなくなってしまいます。

警察にも届け出を

警察にも届け出をしておく必要があります。これも抜け漏れていると、ほかの補償規定が適用されなくなる恐れがあります。

カード会社の指示に誠実に対応する

不正利用の心当たりなどが確認されると思いますので、誠実に対応をしてください。

カード会社にしてもちゃんとプロセスを踏んでくれれば不正利用を防いだり補償をするためにできる限りのことをしてくれます。

焦る気持ちはわかりますが、ここで噓をついたり不誠実な対応をしないようにしましょう。

普段から気を付けておきたいこと

暗証番号は予想されづらいものに

暗証番号を複雑に設定する意味は2つあります。

ひとつはもちろん突破されないようにするためです。

そしてもうひとつは、仮に突破されたときでもあなたの過失だと認定されないためです。

前述のように、クレジットカードを不正利用された時にあなたの重過失が認定されると、補償が受けられなくなってしまいます。

0000のような単純な暗証番号を設定手していると、その重過失に認定される可能性があります。

自分を守るためにも、暗証番号は複雑なものを設定するようにしましょう。

普段からカードの明細は頻繁に確認する

カードが不正利用された時に補償をしてもらえるかは、スピード勝負です。

まず不正利用をされてから60日が過ぎると保証がされなくなってしまいます。

さらに発見が遅れると、あなたの管理不足を問われてしまう場合もあります。

そういう意味で、普段から自分のカードの利用明細は頻繁に確認するようにしてください。

そして少しでも怪しい明細が登録されたら、すぐにカード会社に問い合わせをするようにしましょう。

おまけ:なぜ60日が過ぎると補償されなくなるのか

60日が過ぎると不正利用であっても補償されなくなるのはなぜでしょうか。

明確な理由を示した文書は見つけられなかったのですが、恐らくこれはアメリカの法律である「Fair Credit Billing Act」からきていると思われます。

  • 消費者は、不正確な金額や未着商品、受け入れられない商品、または許可されていないユーザーによる取引など、50ドル以上の請求に対して60日以内に異議を申し立てる権利がある
  • 許可されていないユーザーによる取引に関して、消費者の負担額は50ドルに制限され

これによると「50ドルまでは自己責任で、それ以上の請求に関しては60日以内に異議を申し立てるように…」となっています。

なぜこのようになっているかはわかりませんが、クレジットカードの会社の入金サイトがそれくらいなんでしょうか?

FCBAはアメリカの法律なので日本の会社がこれに縛られることはないのですが、クレジットカード先進国のアメリカから入ってくるときに、これを参考にした可能性はあると思います。

その際原文にある50ドルの免責を外してくれているのは、日本の会社は結構良心的だなーと思ったり。

以上、不正が起きてしまった場合の対応に関してでした。

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