キャラクターとコラボしたクレジットカードを見たことはありますか?
クレジットカード業界では、アニメキャラクターやスポーツ選手などとのコラボが増加しています。
TVアニメ「進撃の巨人」とコラボしたクレジットカード「SAISON CARD Digital<進撃の巨人>」誕生!
クレジットカードのコラボが増えている背景はなんなのでしょうか。
我々が実際どのようにこれを利用していくべきなのか考えてみます。
カードの差別化の難しさ
クレジットカードとキャラクターコラボが増加している背景には、カード自体の機能差がほぼなくなってきたことがあります。
決済機能での差別化
そもそもクレジットカードは一時的な立て替え払いをする決済手段です。
そのためメインの機能で差別化が困難です。
決済の枠を他よりも積極的に拡大する。決済時のチェックを甘くする。
そんなことも、もしかしたらできるかもしれません。
しかしそれで不正が横行したりしたら元も子もない話です。
そういう意味でメインの決済機能での差別化は難しいのです。
年会費での差別化
現在ライトユーザーが使うクレジットカードは、たいてい年会費が無料です。
むしろ無料じゃないとスタートラインにも立てないといっていいでしょう。
三菱UFJカードも2024年8月から今まで1,375円だった年会費を永年無料に変更しました。1
さらに、「三菱UFJカード」の年会費(一般カード/1,375円(税込))を2024年8月1日以降の入会分より永年無料とすることで、同カードの新規入会に一段と弾みをつけたいと考えているものです。
特にカード会社がのどから手が出るほど欲しい「新規ユーザー」を迎えるにあたって、年会費がかかるのは明らかにマイナスです。
ポイント還元などで年会費を「実質無料」にするところも中にはあります。
ただ設計を複雑にすればするほどライトユーザーには理解が難しくなります。
逆に離反を招くことにすらなりかねません。
そしてこの複雑さというのが、次の還元率に関しての問題に影響してきます。
複雑なポイント還元での差別化
現在最も大きな差別化要因となっているのは、ポイント還元でしょう。
- 楽天カードなら楽天ポイント
- 三井住友NLならVポイント
- PayPayカードならPayPayポイント
- リクルートカードであればリクルートポイント
- JCBカードであればOki Dokiポイント
このように各社自分たちが発行しているポイントを付与することで、何とか消費者に自社サービスを選んでもらおうとしのぎを削っています。
ただ最近は多くのポイント付与を実現するために、条件が複雑化してきています。
例えば三井住友NLの最高還元率は10%です。
これを達成するには7つの条件があります。2
条件 10%時の条件 7%時の条件内容 7iDとV会員番号のIDを連携 三井住友カード(Vpass)と V 会員番号の ID 連携 「三井住友カード(Vpass アプリ)」と「V ポイント」を設定 三井住友カードの「スマホのタッチ決済」を設定 三井住友カードの「スマホのタッチ決済」を設定 セブンイレブンの利用 セブンイレブンや特定の飲食店の利用 セブン-イレブンで、「セブン-イレブンアプリ」の会員コードを提示 三井住友カードのスマホのタッチ決済でお支払い 三井住友カードのスマホタッチ決済でのお支払い
いくつかのアプリを連携する必要があり、ここで挫折してしまう人もいるはずです。
なぜこんなに条件を複雑にするのか。
それは何もカード会社が意地悪だからというわけではありません。
カード会社も何とか還元率を高くするために、
色んなところからポイント原資を引っ張ってこようとしているのです。
なぜコンビニ限定でポイントアップするのか
例えばコンビニに限定してポイントをアップするのはなぜかを想像すると、
- コンビニは消費者の日常生活に紐づいている
- ここでの支払いに使ってもらえれば長くカードを使ってもらえる
- また消費行動のデータも取れて、貴重なマーケティング材料となる
- だからここにもっとポイントを付けるための予算を持ってくるべきだ
こんな感じのプレゼンが社内でなされているのではないかと思います。
これが通ると
「じゃあコンビニを使う時にはもっとポイントをつけようか」
と条件付きのポイントアップが実現するのです。
ただし、複雑にすればするほどユーザーにとっては仕組みを理解するのが難しくなります。
結果的に利用が伸びづらいというジレンマに陥ってしまうのです。
このように一番の差別化ポイントである「ポイント還元」も、各社努力はすれど、ユーザーにとって決定的な差別化ポイントにはなりにくくなってきているのではないでしょうか。
わかりやすく差別化ができるクレジットカードとキャラクターのコラボ
クレジットカードのコラボは優秀な推し活グッズ
そこでわかりやすく差別化になるのが、カードのデザインです。
実はクレジットカードは推し活グッズとして必要な条件をしっかりと備えています。
クレジットカードはずっと持ち歩くものですので、「自分が応援している芸能人や好きなキャラクターが入っているものを身に着けたい」という気持ちを満たしてくれます。
しかも買い物のときには必ず相手に見せることになるため、推しの顕示欲を満たすこともできます。
推し活グッズとしてクレジットカードは実に優秀なのです。
マーケティングの面からみても優秀なクレジットカードのコラボ
そして企業側からしてもこのキャラクターコラボは非常に優秀なマーケティング手段になり得ます。
人気の芸能人やキャラクターというのは非常に強固なファンベースを持っています。
彼ら彼女らをデザインに起用することで、その熱心なファンたちがそのクレカを使ってくれるのです。
キャラクターたちと契約するためにはもちろんお金を払わなければいけません。
ただ各社が高いポイント還元に使っている莫大な金額からすれば、良心的な金額に落ち着くことが多いでしょう。
ある意味ポイント競争などで複雑化した条件に対するアンチテーゼとして、キャラクターコラボのクレジットカードが増えてきているといえそうです。
複雑な条件をつけて0.5%で消耗するよりも、
「自分の好きなキャラを応援したいからコラボカードを使う!」
この考え方はとても健全に見えます。
クレジットカードのコラボとどのように向き合うべきか
それでは私たち消費者は、クレジットカードコラボに、どのように付き合うとよいのでしょうか。
私はクレジットカードの2枚持ちを推奨します。
ひとつはキャンペーンや条件に縛られず「ベースのポイント還元率が高い」クレジットカードを。
もうひとつは「自分が好きなキャラクターがコラボしている」クレジットカードを「推し活」として。
上記のように2枚使いにするのです。
ベースの還元が高いクレカをなぜ選ぶべきか
多くのクレジットカードが複雑な条件をつけて、何とか還元率を高くしようとしています。
しかしそれを追いすぎると、クレジットカードの条件に合わせて自分の生活を崩すことになりかねません。
(スーパーでも買えるのに、還元目的でわざわざ割高なコンビニで買いに行くなど)
そこでシンプルにキャンペーンにかかわらず、利用金額に対して付与されるポイント還元率が高いカードを選ぶのです。
それであれば条件に振り回されず、自分にとって本当に必要な消費に対して高いポイント還元を受けることができます。
クレジットカードコラボは自分の好きなキャラクターを自由に選ぶ
もう一枚に関しては自分の好きなキャラクターとコラボしているカードを自由に選んでください。
ここの選び方に他人が介在する余地はありません。
ただただあなたの推しのクレジットカードコラボを選んでください。
(ただし年会費がかかるところは避けるようにしましょう)
ベースのポイントが高いクレジットカード
ベースの高いクレジットカードとして、「楽天カード」と「リクルートカード」をがあげられます。
楽天カード
楽天カードは言うまでもなく現在日本でもっとも使われているクレジットカードです。
ベースの還元率も100円に対して1ポイントと1%の還元率を実現しています。
しかも付与されるポイントが非常に使い勝手が良い楽天ポイント。
カードとしての総合力が非常に高くおすすめのカードといえます。
リクルートカード
リクルートカードの魅力は何といってもその高い還元率です。
100円に対しての還元は1.2ポイントと、なんと1.2%の還元率を実現しています。
これは条件を絡めないベースの還元率としては非常に高い水準です。
付与されるリクルートポイントもAmazonで使うことができるため、使い勝手としては悪くありません。
まとめ
そのマーケティング面でのメリットから、クレジットカードのコラボはどんどんと増えていくことが予想できます。
加えて各社の企業努力によって、クレカの還元条件はさらに複雑化していくでしょう。
最近も三井住友カードがセブンイレブン限定で10%のポイントアップを発表しました。
途中でセブンアプリを出す必要があり、非常に複雑な手順を必要としています。
消費者である我々としては、できるだけそういったものに振り回されないことが大切です。
自分がクレジットカードに何を求めているかの優先順位を持つようにしましょう。
- 多少条件が複雑でも最大限のポイントをとりたいのか
- クレジットカードとしての機能が使えれば十分か
- 自分の好きなキャラクターが入ってるものがとにかく使いたいのか
この優先順位を明確にしておけば、キャンペーンに惑わされず、自分にとって本当に必要なクレジットカードを手にすることができるはずです。
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