大学生はクレジットカードを作るべきなのでしょうか。
私が大学生だった頃。
20歳までは親の許可がなければクレジットカードは作れませんでした。
20歳になったその日、私はお酒を飲み、タバコを吸い。
そしてクレジットカードを作ったのを覚えています。
それほど、クレジットカードを自分の力で作れるというのは、成人になったことを象徴的にあらわす出来事でした。
しかし、時代は変わり、2022年。
法改正によって18歳以上なら「親の同意を必要とせずクレジットカードが作れるようになりました」(高校生を除く)
ただし作れるようになったからといって、必ずしも作るべきかどうかは別問題です。
クレジットカードは上手に使えば日常生活を豊かにしてくれる「魔法のカード」ですが、
使い方を誤ると人生に悪影響を与える「悪魔のカード」にもなりかねません。
では、自分で生計を立てていない大学生はクレジットカードを持つべきなのでしょうか?
私の結論は、「大学生こそ、1枚クレジットカードを作るべき」というものです。
その理由を以下で解説します。
1. 大学生に好意的なクレジットカード会社
カード会社にとって年齢の若い大学生は将来の優良顧客です。
学生時代のクレジットカードを、社会人になってからも使い続けている人はたくさんいます。
学生のうちは収入も少なく大きな金額を使わなくても、会社に勤めるようになったらどうでしょう。
飲食の支払いやブランド物の購入、車や住宅の購入資金まで。
収入が増えるに従い使える金額が大きくなってれば、カード会社にとって非常に魅力的な顧客となるのです。
どのクレジットカード会社も若い学生にカードを作ってもらいたい意向を持っています。
なので若い学生に対しては好意的だといわれています。
(審査が緩いとかそういうことではないので誤解なさらず)
社会人になった後では、勤めている会社や年収が厳しく見られるようになります。
試しにXで「クレカ 審査落ち」と検索してみてください。
クレカの審査に落ちてしまったという人のつぶやきがごまんと出てくるでしょう。
大学生のうちに1枚クレジットカードを作ってみることをお勧めします。
2. 早くから資金管理の練習ができる
仮にカードの審査が通った場合。
たいていの場合学生の使える限度額はそこまで大きくありません。
学生で大きい収入の人が少ないのもそうですが、クレジットヒストリーがまだ浅いためです。
そのためクレジットカードを使いすぎてしまった場合でも、払えなくなるようなトラブルに発展する可能性は低くなります。
社会人になると限度額も大きくなり、大きな支払いもカードでするようになります。
数万円の飲み会のとりまとめから何十万もするブランドものの購入。
結婚式の資金数百万円をカードで支払う場合もあります。(私の友人も実際に500万円の結婚式代をクレカで支払っていました)
こうなってくると、実際に自分がいくらまでなら返せるのか。
それを把握しておかないと、資金繰りが破綻してしまいます。
クレジットカードはカード会社が立て替えをしてくれるサービスです。
手元にお金がなくても買い物ができるので便利ですが、その本質は一時的な借金です。
今月はほかにもお金を使う予定はなかっただろうか?水道代や電気代の引き落としはもう済んでるだろうか?
給料が入れば来月のクレジットカードの支払いができるだろうか?
こういった自身の家計をしっかりと管理するくせをつけるためにも、
限度額の小さいうちからクレジットカードに慣れておくことが非常に重要です。
だからこそ、限度額の低いクレジットカードを持っておくことをお勧めします。
3. クレジットヒストリーを構築できる
クレジットヒストリーはあなたに対しての信頼です。
これは様々な要素で構成されていますが、とてもシンプルに言うと
「借りたお金をちゃんと返した履歴」です。
クレジットカードは一種の借金です
カード会社はあなたがちゃんと支払いをしてくれるのかをしっかりと見ています。
10万円のバッグを購入したら、次の月に10万円の支払いをしなくてはなりません。
クレジットカードを長く使っていれば、この「使って→支払って」の回数が増えていきます。
そうやって毎月お金をカードで払って、次の月にちゃんと返すことを繰り返
そうするとカード会社からあなたに対しての信頼が積みあがっていくのです。
「この人はちゃんと使った分のお金を次の月に支払ってくれる人だ」
「この人ならもっと多くの限度額を設定しても、今まで通り返してくれそうだ」
このサイクルを繰り返していくと、あなたのクレジットヒストリーがきれいなものとして記録されます。
このクレジットヒストリーをきれいな状態で記録しておくこと
将来に家を買いたい場合の住宅ローン
車を買いたい場合のカーローン
そういったローンで有利な条件で借り入れができる場合があります。
クレジットヒストリーの保管期限は5年間といわれています。
18歳から積み上げておけば23歳の時点。
ちょうど社会人になったところで5年間のきれいなヒストリーができあがっていることになるでしょう。
4. 緊急時の備えとして使えるクレジットカード
これは学生の時に限りませんが、クレジットカードを持っておくこと緊急にお金が必要になった際に柔軟な対応ができるようになります。
例えばバイトの給料日前に急に冷房が壊れて新調する必要が出た場合、学生にとっていきなり十数万円の現金を用意するのは簡単ではありません。
例えばいきなり友人に海外旅行に誘われたが、手元にお金がない。あと3日すればバイト代が振り込まれるのに…
こんな時にクレジットカードを1枚持っておけば、支払いを次月に行うことですぐに冷房を用意し、海外行きの飛行機にも乗ることができます。
この「いつでも使える数十万円の枠を持っておく」というのが意外と大事なのです。
「私は普段クレジットカードなんて使わないからいらない」
そういう人でも、実際にクレジットカードを持っておくことで緊急用の数十万円の借入枠を確保しておいて損はないはずです。
自身の家計に柔軟性を持たせる意味でも、クレジットカードを1枚持っておくことをお勧めします。
5. 海外旅行保険が付帯していることが多い
これはあくまでおまけですが、クレジットカードには海外旅行保険が付帯していることがあります。
例えば楽天カードには以下の海外旅行保険がついています。
保険の種類 | 保険金額 | Office |
傷害死亡・後遺障害 | 最高額 | 2,000万円 |
傷害治療費用 | 1事故の限度額 | 200万円 |
疾病治療費用 | 1疾病の限度額 | 200万円 |
救援者費用 | 年間限度額 | 200万円 |
賠償責任 (自己負担額なし) | 1事故の限度額 | 3,000万円 |
出典:楽天カードHP クレジットカード付帯の海外旅行傷害保険
海外旅行に行く際には海外旅行保険に入る方が多いと思いますが、年会費無料のクレジットカードでも上記のような保険が付帯しています。
例えばヨーロッパに1週間旅行にいくとして、一般的な旅行保険をつけようとすると内容によりますが4,000円~10,000円ほどかかります。
つまり1枚クレジットカードを持っておくことで上記の金額を節約することができるわけです。
在学中に海外旅行に行く場合などもあるでしょうから、そういう意味でクレジットカードを持っておくことで万が一の際の備えになります。また海外でのお買い物にもクレジットカードは非常に便利です。
終わりに
20歳になり初めて飲食店でクレジットカードを使ったとき、これは魔法だと思いました。
自分の財布からは1円も現金が減っていないのに支払いが完了し、しかも店員さんが「ありがとうございました」と言ってくれたのです。
それと同時に、来月にはこのお金を支払わなければいけないと背筋を伸ばしたのを覚えています。
クレジットカードはうまく使えば人生をより豊かにしてくれる魔法のカードです。
しかしうまく使うためにはその怖さも理解しておかなければいけません。
そのためにも、私は大学生のうちからクレジットカードを作りその「便利さ」と「怖さ」も理解しておくべきだと考えます。
大学生だからこそ、クレジットカードを作るべき。
これが私の結論です。